フォステクス(Fostex)数量限定販売スピーカーユニット FE108SS-HP が発売、限定10cm初の 磁石:2枚重ね の強力磁気回路?搭載ユニットです。
● Fostex(フォステクス) FE108SS-HP(8Ω)
限定販売:FE-SS-HPシリーズ の第2弾、
FE108SE2 から 21年ぶりの 新開発HP振動板採用で
進化した、10cm口径フルレンジ・スピーカーユニット
標準価格:¥27,500 (10%税込)/1台 2022年2月中旬発売
● Fostex(フォステクス) FE168SS-HP(8Ω)
限定販売:FE-SS-HPシリーズ の第1弾、
FE168-Sol(仮) に替わって、20年ぶりにHP振動板を
新開発して採用した、CNFコーティング複合パルプ
素材振動板の 16cm口径フルレンジ・スピーカーユニット
標準価格:¥38,500 (10%税込)/1台 2021年3月中旬発売
※ SNF
{ Cellulose nanofibers;セルロースナノファイバー }
FE108SS-HP は、2021年3月 に発売された
FE168SS-HP の設計思想を踏襲して開発した、
新限定販売:FE-SS-HPシリーズの 第2弾 となる、
高級10cm口径フルレンジ・スピーカーユニット です。
FE-SS-HPシリーズ の 第1弾になる
FE168SS-HP は、発売が予想されていた
FE-Solシリーズ:FE168-Sol(仮) が、重要な特徴になる
2層抄紙ESコーン振動板 の主素材の バナナ類紙パプル
が入手困難で、未発売となった替わりに登場した、
アルミ・ダイキャスト・フレーム の
高級16cm口径BH用フルレンジ・スピーカーユニット です。
※ BH
{ Back-loaded Horn;バックロードホーン }
ところで、FE108SS-HP は今までの 限定販売の10cm口径
FE108スーパーシリーズと、大きく異なる特徴があります。
それは{ Q0 = 0.39 > 0.3 }と、BH型に適する条件
から外れた スピーカーユニット となりました。
ただし、磁気回路は超強力で微信号にも敏感に反応する
ユニットなので、BH に絶対使えない訳ではありません。
BH型エンクロージャー は、ユニットの適用範囲が広い
スピーカー・エンクロージャー です。
FE108SS-HP が、BH専用ユニット とは呼べない証拠は、
{ 月刊ステレオ2022年:1月号:stereo AUDIO CRAFT }
に FE108SS-HP 採用した BH作例 の記事の試聴結果に、
「タイトでハイスピードな音質を求める方には
少々物足りなさを感じられるかもしれないが・・・」
と載っています。
つまり、駆動力の高い磁気回路が強力なユニットを使った
BH が再生する "音" の特徴は、
{ ハードでシャープでダイナミックな壮絶サウンド }
( 他のエンクロージャー型では出難いサウンド )
ですので、FE108SS-HP は
BH に最適なスピーカーユニットとは呼べません。
ちなみに BH を日本で広めた オーディオ評論家 の
故:長岡鉄男氏 によりますと、上記のような "音" は、
BH の一面にすぎず、設計次第で "どんな音" も出せる
そうです。
逆に考えますと、同社:バスレフ専用10cm口径フルレンジ
FF105WK{ Q0=0.41:m0=3.4g:f0=75Hz:SPL=88dB }
に近い特性となっていますから、
{ 密閉型,バスレフ,DB,BH,共鳴管 }等々
どんなエンクロージャー型でも使える、
万能型の 高級・超高音質の10cmフルレンジ・ユニット
になると、私は考えています。
よってエンクロージャー設計上の特性は BH にあまり
向いていなかった FE168SS-HP に FF108SS-HP は、
非常に近づいていて、実際に試してみなければ分かり
ませんが、限定販売の10cm口径FE108スーパーシリーズ
の誕生のきっかけを作った、故:長岡鉄男氏設計の
最高傑作:鳥型BH・スピーカーボックス、
{ D-101S:スーパー・スワン }
には、うまく適合できないと予想出きます。
個人的にはバッフル面をフレームが収まるように
広げて、HBの空気室(スワンの頭) の 内容積 を
f0 に合わせて大きくし、バッフル面等を補強した
「D-101AV:AVスワン」改 が適合
できると考えています。
※ DB
{ Double Bass reflex;ダブルバスレフ }
※ D-101AV:AVスワン
AVフロント(共同通信社) 1992年7月号が
初公開の防磁型 FE107{ Q0=0.43:f0=80Hz }
を使用したAV用鳥型BH・スピーカーボックス
当時はディスプレイがCRTだったので、
ユニットは磁気漏れが少ない防磁型が必要
だった。実際にスピーカー工作するための
図面は、現在販売されている書籍には、
残念ながら載っていません。
FE108SS-HP/FE168SS-HP の特徴は、
1) CNFコーティング複合パルプHP形状振動板
2) 大型フェライト磁石2枚重ねの超強力磁気回路
3) 高剛性アルミダイキャストフレーム(FE108EΣ同様?)
4) 磁気回路の低歪み化(ポール部に銅キャップ追加)
5) 優れた振幅応答性を持つ UDRT ダンパー/エッジ
6) ダイレクトリード/ハトメレス構造
6) リード線180度左右対称引出し
7) ファストン205 金めっき端子
となっています。音質上の特徴は、
A) 超高音質の中高域(限定FEシリーズの特徴)
B) 反応が速く切れの良い低域
C) 自然な響きの中高域、十分に伸びた高域
D) フラットでスムーズな周波数特性
と載っておりトータルの "音" は、
{ 充実した低域と色付けが少なく
素直な中高域の音質を持ち、
力強くも繊細で表現力豊かな音楽の再生 }
と "新製品のご案内" 等に載っていました。
参考にしたページは
●FE108SS-HP ステレオ2022年1月号:AUDIO CRAFT 登場
●FE168SS-HP ステレオ2021年3,4月号:AUDIO CRAFT 登場
●FE108SS-HP/168SS-HP 限定スピーカーユニットについて
◆ Fostex FE108SS-HP 10cmフルレンジ・スピーカー ユニット
◇ 仕 様
◇インピーダンス:8Ω ◇直流抵抗値 Re :7.3Ω
◇最低共振周波数 Fs/f0:81Hz◇再生周波数帯域:Fs~28kHz
◇出力音圧 SPL:88dB/W (1m) ◇定格入力:15W
◇等価質量 Mms:3.2g
◇T/S-P BL:5.27N/A ◇T/S-P Qts:0.39
◇T/S-P Qms:4.13 ◇T/S-P Qes:0.43
◇T/S-P Vas:4.31L
◇実行振動半径a:40mm
◇磁石寸法?:φ100,t=15mm×2 ◇磁石重量?:不明(?440g×2)
◇バッフル開口寸法:φ102 mm+α
◇サイズ・フロント:φ128×t9.2 mm
◇サイズリア(奥)・:最大φ100×D71.5 mm
◇総重量・・・・・:1,830 g
◆ Fostex FE168SS-HP 16cmフルレンジ・スピーカーユニット
◇ 仕 様
◇インピーダンス:8Ω ◇直流抵抗値 Re:7.4Ω
◇最低共振周波数Fs: 54 Hz ◇再生周波数帯域:Fs~25kHz
◇出力音圧 SPL:91dB/W/1m ◇定格入力:27W
◇等価質量 Mms:9.54g
◇T/S-P Qts:0.27 ◇T/S-P Qms:1.94
◇T/S-P Qes:0.31 ◇T/S-P Vas:16.54L
◇T/S-P BL:8.81N/A
◇実行振動半径a:60mm ◇ボイスコイル直径:30mm
◇マグネット寸法:φ156mm,t=20mm ×2
◇マグネット重量?:未公開
◇バッフル開口寸法:φ151mm
◇サイズ・フロント:φ190×t12.6 mm
◇サイズ・リア(奥):最大φ146×D105 mm
◇総重量・・・・・:5,300 g